不妊治療記録その2 採卵①〜移植①まで、22年総括

その2です。自分も不安な時とかに人のブログを読んで大変参考になったので誰かの助けになればいいなと思って書きます。
あんまり用語の解説とかはないです。時系列順。その1はこちら↓miohaco.hatenablog.com
【2022年6月】受精せず
培養結果は1週間後ということで治療費を払って終了。
採卵日は最初午前半休を取っていたんですが、お腹の痛み的に仕事なんて到底無理ということで全休に切り替えて、自分への労いで美味しいものを食べて帰宅。
心身に相当負荷がかかっていたのか夕方まで爆睡。

起きると病院から数回着信が入っており、寝起きのままかけ直すと「受精を試みたんですが1個も受精せずで、(電話に出ていれば)その場で顕微授精に切り替えられたんですが、時間が経ってしまったので今からやってもおそらく難しい。どうするか」ということを言われ頭を殴られたような衝撃で一気に目が覚める。えっ1つもってそんなことある?しかも私が起きてさえいれば選択が間に合ったのに私は....私.....。
普段自分で自分を責めることなんてほとんどないので、このどうにもならない過失で慣れない自分責めをやってしまいかなりだるかった。
先生もこんなことが起こるとは、みたいな空気でレアケであることが察せられまたショックを受ける。
とりあえずどうしようもないので、次の生理が来たらまた診察することになる。

たとえば事前に半分はふりかけ、半分は顕微といったやり方も可能だったと思うんだけど、私も先生もまさか1個も受精しないなんて思っておらず、つまりはこの数ヶ月の努力とお金が全部パア、採卵もやり直しということなので近年稀に見る絶望感でした。

ここで謎に背筋が伸びたというか、不妊治療の世界へ足を踏み入れた感覚があり映画ならここでタイトルが出るな、とか思った。

とにかく完全に舐めてたという反省、二度とやりたくないしやるはずもないと思った採卵をまた1からやることに辛い気持ちになり、もうここからは自分のメンタルのためにも「何が起こってもおかしくないんだ」という気持ちで挑もうと心に決める。
この出来事のおかげでここから先の治療をかなり強い気持ちで乗り切っていけたなと思う。


【2022年7月】再診
生理が来たので病院へ。
先生からは「この卵子精子の状況で1個も受精しないのはありえないので、おそらく何らかの原因で精子が卵に入っていけなかったのだと思われる」という説明を受ける。
それは精子に力がないのか、はたまた卵の殻が硬いのかはわからないが、卵子精子の状態は毎回変わるし、今の不妊治療界においてはここの原因を突き止めるよりもステップアップすることが結果に繋がるとされていると言われ、確かにそうだなと思った。
つまりは次回は、最初から顕微授精にしましょうということになった。
採卵後の子宮は傷ついているので、2周期置きましょうと言われ、図らずも2ヶ月お休みとなる。

一年に最大12回しかチャンスがない中、こうやって平気で数ヶ月お休みが設けられたりして、大変気の長さが必要な治療だなと思った。


【2022年9月〜10月】治療再開、採卵②、培養結果
お休み期間は特にやることもないので楽しく過ごした。
余談だが職場の直の上司や別部署の人が不妊治療経験者で、ドンピシャで理解があったのが本当にありがたかったな。
一個も受精しない話とか、前提知識がなければ事の重大さが伝わらないので、そこを飛ばして話を聞いてもらえたりしてとても助かりました。

さて治療再開です。
10月の頭採卵に向けて再度自己注射開始。まさか2回目があるとはね。もう手慣れてますよ。
シルバーウィークに福岡に遊びに行って、友達の家で自己注射したりもしたな...思い出...。

2回目の採卵は1回目よりも全然痛くなくて、その代わりに(?)看護師さんが全く手を握ってくれなくて心細かったけど、ここから先独り立ちしないと治療なんてやってけないぞという謎の気負いがあり強く乗り切りました。
文体からも伝わるかもだけど1回目の全滅からもう武士の顔してるので割と淡々とした感じです。

顕微授精の結果、8個卵が取れてそのうち3個凍結できました!やったね!
もう何はともあれ次に進めることがめちゃくちゃ嬉しかったです。
1回目の受精がうまく行ってればとっくに移植までいってたからねー。
タイムロスという感覚はどうしてもあった。
うちの病院では基本凍結した胚盤胞を移植するので、また子宮を戻すために2周期置いてから移植となりました。
気が長いねー。

【2022年12月】移植①、着床せず
初めての移植。
移植は5分で終わるし全く痛くないと聞いていたので、なんの不安もなく淡々と移植周期を進めてました。
胚盤胞は状態によってランク付けがされるのですが、より早く妊娠するためにいいランクのものから順に移植していきます。
今回は5ABというかなり状態の良いものを移植。
当日午前に凍結胚を培養士さんが解凍、状態に問題なければ午後移植という流れです。

移植は本当に5分で終わって感動した。
ここまで来るのに治療を本格的に始めてから約8ヶ月、あまりに長かったな...。と感慨深くなる。
ここからホルモンブーストのために下記の薬を日々飲まなければならず薬ジャラジャラ生活になる。むしろこっちの方がめんどくさかった。ちなみにこの薬はもし妊娠したら9週ぐらいまで続く。長い。

・1回2錠の錠剤 1日2回
・2日に1回 貼り薬 2枚
・1日3回 膣錠

マジで多い。軽く調べた程度だけど、体外受精での移植は特に初期、自然妊娠よりも着床や妊娠維持に必要なホルモンが出づらいとのことで薬をサボるとマジでやばいので真剣に服用する。

移植から十日後、いわゆるBT10に血液検査で妊娠判定。血中のhCG値で判定するのですが、今回は陰性。
数値的に着床すらしてませんでした。

ショックはショックだったけど、確率的に3回移植して1回妊娠くらいが平均だそうなのでスッと切り替える。
採卵と違い、移植は次の周期にすぐ出来るので先生と年末の挨拶をして2022年の治療は終了しました。


【2022年総括】
というわけで2022年の治療はこんな感じでした。
全く知らない世界に足を踏み入れて、辛いは辛いけど面白くもあった。今の医療ってすごいなと思ったし。
でもそんな風に思えたのは、保険適用による金銭的負担がかなり軽かったのが本当にでかかったです。
加えて私は自分で入ってる医療保険からも給付金が出たので、持ち出しがかなり減った。
私の保険では採卵と移植のたびにお金が出ました。ありがたすぎる。
入ってる保険にもよるけど、約款に書いてなくても申請したら出たからみんな絶対に申請して欲しいです。
それと後から気づいて高度療養費制度も申請してそこでもお金が戻ってきたからみんな(みんな)も忘れず申請しよう。
たった1年半前までは、この治療に一体いくら払ってたのかと思うと恐ろしいし、メンタルは持たなかったと思います。
痛い思いして数十万払って、結果が全滅とか受け入れられなかったろうな。

あとはこの出来事を夫や身近な友人、職場の上司にもたくさんたくさん聞いてもらってそれにも感謝しかないなと思います。
夫婦としての不妊治療については全部書き切ったら書こうかなーと思います。

次は2023年!